「Digital×北斎 with チャールズ・ラング・フリーア寄贈コレクション」展が、2026年12月15日(火)から2027年3月28日(日)まで、東京都初台のNTTインターコミュニケーション・センター [ICC] にて開催されます。本展はNTT東日本が主催します。
アメリカのスミソニアン国立アジア美術館(NMAA)が収蔵する葛飾北斎の肉筆画は、同館でしか見ることができません。本展では、NTTアートテクノロジーがアルステクネと連携し、現地で作品を超高精細にデジタル化することで、デジタル作品として日本への「里帰り」を実現しました。
背景と概要
本展は、海外の美術館が収蔵する北斎作品に焦点を当てています。
米国の鉄道事業で財を成したチャールズ・ラング・フリーア(1854–1919)は、画家のジェームズ・マクニール・ホイッスラーとの親交を通じてアジア美術への関心を深めました。西洋と東洋に共通する美を追い求め、日本美術を含むアジア美術を厳選して蒐集し、驚異的なコレクションを築き上げました。彼の北斎肉筆画コレクションは世界最高峰と言われています。フリーアの死後、コレクションは1919年にスミソニアン協会へ寄贈され、1923年に全米初の国立美術館かつアジア美術専門美術館としてNMAAが開館しました。しかし、フリーアの遺言により、作品はNMAA館内でのみ展示が許されており、鑑賞の機会は限られていました。
米国建国250周年を記念する事業の一環として、NMAAの協力のもと、フリーアコレクションから厳選された作品が日本へ紹介されます。NMAAが選定した作品は屏風です。北斎の屏風で日本国内に現存するものは少なく、展示される作品はすべて希少なものです。さらに、北斎が晩年まで探求し続けた波をテーマとした作品の最後となる《波濤図》も加わりました。NTTアートテクノロジーは、高度なデジタル化技術を持つアルステクネとともに、米国にてこれらの作品をデジタル化しました。
屏風の鑑賞は、浮世絵版画や肉筆掛軸の鑑賞とは大きく異なります。例えば六曲一双の屏風は、広げると鑑賞者の視界を覆うほどの大きさになり、鑑賞者を作品の世界へと引き込みます。
本展は、貴重な作品を複製するだけにとどまりません。デジタル技術を駆使して、作品の世界をより深く探求し、拡張します。
NMAA館長からのメッセージ
チェイス・F・ロビンソン スミソニアン国立アジア美術館館長
「国立アジア美術館にとって、米国建国250周年は、私たち自身の歴史だけでなく、日本との協力関係、世界中からの訪問者、そして誰もが楽しめる貴重な文化遺産を祝う機会です。この節目を記念するにあたり、全米初の国立美術館である当館が所蔵する愛すべき北斎作品を、最先端の画像・展示技術を通じて日本の皆様にお届けすることほどふさわしい方法はないでしょう。
国立アジア美術館とNTT東日本とのコラボレーションは、独自のデジタル化技術によって実現しました。この取り組みにより、ワシントンD.C.を訪れる機会のない方々にも、質感や実物大のサイズ、あらゆる細部が忠実に再現された作品をご覧いただけます。そして、本展の没入感あふれる展示体験は、これらの重要な作品に新たな命を吹き込むことでしょう。」
展示作品
- 《十二ケ月花鳥図》 – 六曲一双:インタラクティブ大画面投映および超高精細複製屏風(原寸大)
- 《富士田園景図》 – 六曲一双:3Dダイブシアター、超高精細複製屏風(原寸大)、および超高精細複製(拡大)
- 《海浜富士遠望図》 – 二曲一双:3Dダイブシアター
- 《雑画屏風》 – 二曲一双:大画面投映
- 《観桜風俗図》 – 六曲一双:3Dダイブシアター
- 《波濤図》 – 掛軸一幅:3Dダイブシアター
- 3Dダイブシアターは、前後左右および床面の4面に映像を投映し、作品世界に没入できる体験型展示です。作品2、3、5、6は連続した映像展示となります。
- 全6作品のデジタルデータを自由に拡大して閲覧できる「フローティング・ギガ・ビューワー」も展示されます。
インタラクティブ大画面投映、大画面投映、および3Dダイブシアターの映像制作はアルステクネと山口翔が担当。超高精細複製屏風の制作協力はローランド ディー.ジー.株式会社です。
超高精細デジタル化とデータの活用
NMAAの協力のもと、NTTアートテクノロジーとアルステクネは、NMAA館内にて6作品の超高精細デジタル化およびカラープルーフを行いました。デジタル化およびデータ処理には、アルステクネの特許技術である三次元質感画像処理技術(DTIP)が用いられ、1平方メートルあたり約20億画素のデジタルデータを生成しました。NMAAが所蔵する北斎の肉筆画がこれほどの高精細度でデジタル化されたのは今回が初となります。
デジタルデータは、本展で展示されるデジタル作品や超高精細複製物の制作だけでなく、NMAA内での学術研究活動にも活用される予定です。



開催概要
- タイトル: 「Digital×北斎 with チャールズ・ラング・フリーア寄贈コレクション」展
- 展示公式サイト: https://www.ntt-east.co.jp/art/hokusai-freer/
- 会期: 2026年12月15日(火)〜2027年3月28日(日)
- 休館日: 月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合は翌平日)、年末年始(12月28日〜1月4日)、ビルメンテナンス日(2月14日)
- 開館時間: 11:00〜18:00(入場は17:30まで)
- 会場: NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーB、東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4F 〒163-1404
- アクセス: 京王新線「初台駅」東口より徒歩2分
- 入場料: 一般1,200円(1,100円)、大学生1,000円(900円)。括弧内は15名以上の団体料金。
- 障がい者手帳をお持ちの方と付添者1名、65歳以上の方、高校生以下(当日に身分証の提示が必要)、およびICC年間パスポート所持者は無料。
- オンラインチケット: https://webket.jp/pc/ticket/index?fc=00434&ac=0100
- 主催: NTT東日本
- 企画・運営: NTTアートテクノロジー
- 特別協力: スミソニアン国立アジア美術館
- 協力: アルステクネ、一般財団法人北斎館、ローランド ディー.ジー.株式会社、地域循環型ミライ研究所(NTT東日本)
ミュージアムグッズ
会場では、作品の超高精細デジタルデータを活用したミュージアムグッズや展覧会図録が販売されます。
- 展覧会図録
- ポストカード
- ミニチュア屏風
- クリアファイル(A4)
- チケットフォルダー
- リングノート(A5)
- 一筆箋
- トートバッグ
- 手ぬぐい
グッズはNTTアートテクノロジーが製造・販売します。ラインナップは現在の計画であり、変更される場合があります。
今後の展開
NTTグループ各社による展示
本展主催のNTT東日本および協賛するNTTグループ各社は、本展で展示された作品をさまざまな機会に紹介する予定です。現在計画されている展示は以下の通りです。
- 世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)、NTT DATA HOUSE(NTT協賛): 2027年1月18日(月)〜1月22日(金)、スイス・ダボス。展示作品:《波濤図》
- 国際園芸博覧会、NTT東日本パビリオン(NTT東日本主催): 2027年3月19日(金)〜9月26日(日)、神奈川県横浜市。展示作品:《十二ケ月花鳥図》
フリーア邸での展示の可能性
将来のコラボレーション施策のひとつとして、NMAAはデトロイトにあるフリーア邸での超高精細複製屏風の展示を検討しています。