京都のHOSOO GALLERYは、アーティストの吉田真一郎氏による新しいインスタレーション展「意識の白」を、2026年11月6日(金)から2027年3月20日(土)まで開催します。吉田氏は、麻布の研究者であり収集家としても知られています。
展覧会について
吉田氏はアーティストとしての活動に加え、約40年にわたり大麻や苧麻などの自然布を収集・研究してきました。2021年、HOSOO GALLERYは「吉田真一郎 白の気配」展を開催し、そこで作品《白》が発表されました。これは、自身のルーツを探し求めながら約40年間収集してきた麻布を使い、完成させた作品です。
2021年の展覧会で展示された《白》は、すべて同じ平織りで織られた大麻の布だけで構成されていました。素材も織り方も同じでありながら、布を並べることで、織り手の癖や糸の撚りの微妙な違いが、それぞれの布の存在として浮かび上がりました。
本展で公開される新しい《白》には、吉田氏の麻布コレクションに不可欠なもう一つの繊維である苧麻が加えられています。古来より日本で育まれてきた大麻と苧麻の白い布を並べることで、日本人がかつて目にしていたかもしれない「白」の存在を浮き彫りにし、物を見るという行為の意味を改めて問いかけます。
本展では、吉田氏が収集した1,000点を超える資料の要素を極限まで削ぎ落とし、再構築した新しいインスタレーションも展示されます。《白》における布の物質性を超え、より深く「意識」という問題へと踏み込む試みです。約40年にわたる麻布の収集と観察を経て吉田氏がたどり着いた「白」の世界を通して、本展は「見る」という行為の奥底にある意識に触れる機会となることを目指しています。
ガイドツアー
展覧会期間中の2026年11月から2027年3月にかけて、不定期でガイドツアーが開催されます。予約制で、各回10~15名程度を予定しています。詳細は決定次第、HOSOO GALLERYの公式ウェブサイトおよび公式Instagramで発表されます。
- ウェブサイト: www.hosoogallery.jp
- Instagram: hosoogallery
このツアーは、吉田氏が所蔵する約1,200点の麻布資料を活かした特別プログラムです。大麻と苧麻を中心とした「五大麻布」を紹介するとともに、芭蕉布、葛布、科布、藤布、オヒョウ、紙布、太布といった「自然布」への理解を深めます。
吉田真一郎について

吉田真一郎は1948年京都府生まれ、近世麻布研究所所長。20代で絵画制作を開始。1977年に西ドイツへ渡り、現代アーティストのヨーゼフ・ボイスと出会いました。帰国後、ボイスの影響を受けて独学で古美術や民俗学を学び始めました。江戸時代の苧麻や大麻布の繊維・糸に関する研究を発表しています。
主な展覧会として、奈良県立民俗博物館での「奈良晒」展、滋賀県愛荘町立歴史文化博物館での展覧会、東近江市立能登川博物館での「高宮布」展、十日町市博物館での「四大麻布」展などがあります。2012年には国立民族学博物館の共同研究「布と人間の人類学的研究」で研究成果を発表。共著に『別冊太陽 日本の自然布』(平凡社、2004年)があります。2018年、麻布の収集と研究が評価され、第6回水木十五堂賞を受賞しました。
開催概要
- 展覧会名: 吉田真一郎展「意識の白」
- 会期: 2026年11月6日(金)~2027年3月20日(土)
- 開館時間: 10:30~18:00(祝日および年末年始の12月29日~1月3日を除く)。最終入場は閉館15分前まで。
- 会場: HOSOO GALLERY(京都市中京区柿本町412 HOSOO FLAGSHIP STORE 2F)
- 入場料: 無料
- 電話: 075 221 8888
- ウェブサイト: www.hosoogallery.jp
- 主催: 株式会社 HOSOO
- 助成: 日本博
- キュレーター: 井高久美子
- リサーチ: 原瑠璃彦
- 空間デザイン: 周防貴之
- 宣伝デザイン: 森田明宏
- ディレクター: 細尾真孝